稲川主任インタビュー
社員インタビュー

勅使川原産業 静岡営業所
稲川主任 インタビュー
一人が好き、でも独りにはさせない。
「一人でいるのが好きだもんで」と笑う稲川主任。現在は新人の育成なども担当している。営業所メンバーのトラック故障時には、自ら現場に駆けつけるという。なぜそこまでできるのか。原動力を聞いていくと長年の経験で培われてきた信念が見えて来た。
柔道がつないだ次のキャリア
——運送業界に入ったきっかけを教えてください。
子どもが生まれ家庭を養うために、しっかりとした収入が得られる仕事に就きたいと思いました。当時はまだ20代。トラックドライバーの仕事を始めてみると自分の性格にも合っていました。気づけば20年以上、ずっとこの業界にいます。
人と話すのがあまり得意な方ではなくて、もともと一人でいることが好きでした。長距離の移動だと12時間ほどずっと一人ですが、まったく苦にならないタイプです。今も本音を言えば、一人で走っている方が楽しいのかもしれません笑。
——勅使川原産業への転職を考えたのはなぜですか?
前職には13年在籍していて管理職になるという話も出ていたのですが、実際には変化はなく給料も上がらず。
将来を考えたときに、このままでいいのかと悩んでいたタイミングで柔道のつながりから勅使川原産業を紹介してもらったんです。それが転職のきっかけになりました。
新人に細かすぎるほど寄り添う理由
——実際に入社してみてのお話を聞かせてください。
入社当初はドライバーとして現場に出ていました。そこから経験を積み、現在は配車や点呼、フォークリフトでの積み下ろし、新人教育を担当しています。気付けば現場全体を見る立場になりました。
とはいえ、性格はあまり変わっていなくて。事務所での雑談も、盛り上がっているのを横で聞きながら「うんうん」と頷いて笑っています。この環境は心地よいですね。
——新人教育も担当しているとのことですが、どのような指導を行っているのでしょうか。
個人差はありますが、新人ドライバーには約2カ月間、同乗して指導を行うこともあります。業界的には異例の手厚さだと感じます。自分が20歳で初めてトラックに乗ったときは、ほっとかれていました。
「どうすればいいの?」と困ったことや不安な経験も沢山しました。あのときの気持ちは今でも覚えています。だからこそ、新人を同じ状況にはさせたくない。その想いが指導方針の根っこにあります。
——具体的には何を教えるんですか?
運転のスピード、車線変更のタイミング、積み方など多岐に渡ります。重いものが下で軽いものが上などです。技術だけでなく、現場での相手企業とのコミュニケーションの取り方、立ち位置まで教えられるものは全て伝えます。細けえって言われますが笑。
ですがマニュアルがあるわけじゃなく、全て経験からしか身に付けられないので自分の経験から挙げられるものは全て渡します。
——未経験でも安心できる環境ですね。
そうですね。自分が新人だったころの経験から、絶対に独りにはさせません。事故やトラブル時の対応なども極力早く駆け付けられるように動きます。そういった環境であることは安心につながっていくと思います。
以前、51歳で未経験から入社した社員がいましたがガッツがあって指導も楽しかったです。コミュニケーションも上手く、謙虚に学ぶ姿勢が印象的でした。経験の有無も、年齢も関係ないことを指導していて感じました。
彼がいるから続けてこられた。本人には言えないけど…
——ご自身が新人だった頃に印象に残っている出来事はありますか?
鈴木所長とのエピソードです。入社当時、所長が教育係でした。荷物の積み込み中に「2週間ミスがなかったらコーラ奢ってやるよ」と言われて。本気でやりきったんです。すると所長は、その約束を覚えていて、ふらっとコンビニでコーラを買ってきてくれた。ただのコーラです。でも、約束を守る信頼できる人だなと思いました。
仕事への向き合い方や人との関わり方にも、そういう誠実さがにじみ出ている人です。あの出来事がきっかけだったのかもしれませんね。気づけば、もう11年になります。
——稲川主任にとって鈴木所長はどのような存在ですか?
僕は「これやってもらえる?」とお願いするタイプ。所長は、言うべきことはきっぱりと言って場を締める人です。けれど、真顔でふざけるユーモアもある。そして、約束は必ず守る。今も楽しく主任を続けられているのは、あの人が所長だからだと思っています。……本人には言わないでくださいよ。調子に乗るので笑。自分がしてもらったことは、次の世代にも返していきたいですね。
「気持ちよく送り出す」責任
——主任として今、一番大事にしていることは何ですか?
とにかくドライバーが安心して働ける環境をつくることです。技術獲得ももちろん大事ですが、それ以上に気持ちよく働ける環境は大事にしています。
特に点呼は大切にしています。トラックの点検やアルコールチェックなど、やるべきことを徹底するのは当然です。事故はいつ起こるか分からないですし、起きたときの影響は自分だけではすみません。だからこそリスク管理として、基本をおろそかにしないことが重要だと思っています。
それと同じくらい大事なことは、明るく送り出すことです。暗い雰囲気や不機嫌なまま送り出しても、良い仕事にはつながらないと思っています。気持ちよく出発して、事故なく帰ってきて欲しい。それが一番ですね。
——そこまで気を配れる理由はなんでしょうか?
自分がドライバーだった頃、路上でトラックが止まってしまい、一人で立ち往生したことがあるんです。あのときの不安は、今でも体が覚えています。運転中は一人で気楽でも、何かあったときに本当に独りになるのはきつい。
誰か来てくれたら、ちょっと不安も和らぐじゃないですか笑。
長いことドライバーをやってきたからこそ、気持ちがよく分かるんです。
——これから入ってくる人へ、メッセージをお願いします。
困らないように誠心誠意、丁寧に教えます。事故を起こさないドライバーになってほしい。自信がつくまでとことん付き合います。長年の経験で積み上げてきたものを渡していく番だと思っています。一人で走る仕事ですが、独りにはさせません。一緒に頑張りましょう!
